朝銀、私たちの取り組み

いかに入居者さん・患者さん達の為にお世話をさせていただいているか。

医療法人 社団 八千代会 八千代病院

常務取締役

木村 正幸

昭和30年4月23日生まれ

山口県下関市出身

http://merry-house.jp/

医療法人 社団 八千代会 八千代病院

常務取締役

木村 正幸

昭和30年4月23日生まれ

山口県下関市出身

http://merry-house.jp/

八千代会 木村常務へ病院発足以来のグループの歴史についてお伺いしました。

八千代グループの概要についてお聞かせください。

私たちは、1992年に広島県安芸高田市での八千代病院を150床にて開設、「おもてなしの心」を理念とし、増床を続け現在511床となり県下有数の介護療養型医療施設となりました。

また2011年広島市安佐南区に472室の介護付き有料老人ホーム・メリィハウス西風新都を、また八千代病院近くに320室のメリィハウス八千代、そしてサービス付き高齢者向け住宅6施設計326室を広島市内に順次開設しました。

そして現在、八千代グループの医療・介護事業拡大戦略の総仕上げとして「メリィハウスホスピタル(199床)」及びサービス付き高齢者住宅「メリィデイズ(204室)」を複合した施設の開設に向けて準備を進めております。

今でこそこのような規模ではありますが、1992年開業当初は病院1つを経営しているだけの状況でしたので、それほど有名ではなかったですね。たとえば金融機関等からしてみれば「田舎で頑張ってるね」という程度のもの。

その当時の「事業を拡張したい(メリィハウス西風新都建設)」という当理事長の思いが非常に旺盛で、数多の銀行さんに新施設建設についての相談にいきました。当然ながら私どもの信用もそれほどではありませんし、状況が状況でしたのでなかなか融資が受けられなくて。

そこで無理だとは思いながら朝銀西信用組合さまにうちの理事長が声をかけてみたところ「お越しください」いう話になりまして。

伺ったところ、当時私たちが必要とする資金がとても朝銀西さんでは負える金額ではなかった。
ところが現在、理事長でいらっしゃる呉相錫氏が当時天満支店の支店長をなさっていて、なんとか工面していただきまして。

更に不足する部分については連携するオリックスさまに話をつなげてくれましてね。しかしオリックスさまも1社では難しいということでもう1社をご紹介いただき、この2社で全額資金が準備でき、平成15年の夏にやっと着工できました。そして1年半かけて建設。平成16年の11月にオープンセレモニー、平成17年の1月6日にオープンしました。

この「メリィハウス西風新都」がうちのグループ拡大の原点となります。厚生労働省の方針等も随分変わりましたから、余計でもそう思うんですね。あの時にここを出していなかったら、おそらくあの中山間地域で埋もれてしまったでしょうね。西風新都はオープンして1年半で全室埋まりました。

そこからほぼ順調に拡大路線を展開していきました。八千代グループが今あるのはこの「メリィハウス西風新都」のおかげ。「メリィハウス西風新都」があるのは朝銀西信用組合様、そして呉相錫氏のおかげでした。

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一年半で埋まったというお話ですけど、エリア的にもそういった需要が
高まるであろうという想定がありましたか?

もちろんですね。今でこそ広島市の高齢化率は20%程度。どちらかというと広島市は高齢化率は緩い方ですね。緩いということは今後も増える、伸びるということですね。中山間地域なんかはもうすでに35%くらいには達していますので。

これ以上の伸びはないということなんですね。それと、私どもの理念が「おもてなしの心」とさせていただいているのですが、まず至上のサービスをさせていただければ、ニーズの小さなマーケットでも必ずトップを取れると思っております。そこが広島の大都市にあれば、確実にニーズはあると思っています。

入居ご希望及びご家族の方はこのような立派な施設ですので、「メリィハウスに入居したい」というブランディングはなされているかと思われますが?

そうですね。当時であればかなり贅沢な造りをしていますね。資金がなかったにも関わらず設備にこだわったのは、うちの理事長が「これから先、団塊の世代が高齢化してくる」ということで、団塊の世代の方ってかつてのご高齢者のように我慢をされないんですよ。

高度成長期において育ってこられたわけですから、自分の力でかなりのものを手に入れられてきた方達ですので、我慢をされない。そういう方達でもご満足いただけるものを作ろう、ということですね。

先程の当初の建築予算では足らないものになってしまった。オーバーしたんですね。当時メガバンクさんでかなり大きな金額を、倍程度の金額を肩代わっていただいたんですが、その節も朝銀西の天満支店支店長だった呉相錫氏が「それはやって良かった」と「自分たちの目が正しかった証明だから気にしないでください」と肩を押していただきました。

大きな投資により理想どおりの施設を建設されました。市場からもかなり高い評価があったのでは?

そうですね。数年前に「女性自身」という雑誌の取材がありまして全国の「優良」老人ホームということで取材をいただいたんですよ。業界の中では結構な評価をいただいているようですね。

ということは広島だけではなくて、広島市外からのお客様も来られている?

県外の方は20%弱の方達が来られていますね。また東京の方達にこれをお見せすると「入居一時金は何千万円ですか?」とおっしゃるんです。「いやいやいや、100万円ですよ」とお伝えすると「えっ?そんな金額?」とおっしゃるくらいに質とコストパフォーマンスは比較するものがないようですね。

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地域社会へのご貢献もされてきたと思われますが?

理事長が「広島国際交流センター」というNPOを運営しております。我々在日朝鮮人、韓国人がこれまで感じてきた「違和感」などそういったものがありまして、それは「オリジナリティ」と思っています。

各国の人たちがそれぞれの素養を持っておられますよね?それをそのまま「誇れるもの」としてお互いが付き合っていく。
そういう関係を持たせたいということで活動をさせていただいております。イベントとしては日本の中学生、高校生の方達に韓国語のスピーチコンテストを行なってもらい、応募の中から選抜した30人のうち上位10人ほどにご褒美としてそのNPOの支出で韓国旅行をプレゼントしております。
これはもう3年くらいになります。

それと勿論ながら、広島市内のスポーツイベントは必ず協賛しています。安芸高田市では「八千代会杯」という野球大会も行なっています。うちの総務課長が地域の少年野球の監督さんなんですよ。
ほぼ毎年広島県選抜で全国大会に行っています。彼(総務課長)なんかは仕事は夕方5時でぴったり終了し練習に行ってますね。非常に熱心に取り組んでいます。

今後のビジョンですが、拡大路線からまた次の新たな段階となりますか?

これまでは拡大路線を歩んで来ましたけど、もう10件目。合計しまして1800室強。私共の強みというのは介護保険施設のみならず、医療施設を持っているということです。
これにより入居者様・入館者様の安心安全を担保できているんですね。ですから拡大路線はここでとりあえず一休みして、今後はより中身の充実を図っていきたいと考えております。その後また拡大路線を歩むか否かはその時の状況によりますね。

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八千代病院の開設(1992年)から、26年。当時と今を比較した
社会情勢であったり、人口バランスなどかなり違うと思うのですが、
差を感じる部分は?

人口バランスでいうと、例えばご高齢者については、マーケットとしては当時よりもかなり充実してきていますよね、数という部分で。これからの心配は生産年齢人口が目減りしてきますので如何に人材を確保するか。(広島市)安佐南区というエリアは向こう10年程度は同じ数の生産年齢人口が確保できているんです。

そういう意味で拠点とするには丁度いい場所ですよね。ただ私共の企業体が職員にとって働き甲斐のないところであれば当然、私共のところには集まってきません。
ですから私共は常にまず何を先に考えるかというと「職員」のことを考えるんですよ。

当然、みなさんは社会の方達のことを考えないといけないとか、入館者さんのことを考えないといけないと言いますよね?だけど、職員が満足していなかったら、ちゃんとしたケアができないんですよ。

よって当然きちんとした収益をあげられませんから社会にも貢献できないんですよ。だから「職員ありき」なんです。
それから、今回も介護・医療の同時改定が4月1日(平成30年)にあります。今回もまた、新聞では0.54%アップというような、なんとなく楽な改定のような書き方をされていますけど中身は全然違っていまして結構いろんな意味での苦労はあります。

昨日も看護師長を含む39名の幹部職員を集めまして、彼ら現場の職員に、自分たちの目で「じゃあ、これをどういう風に対応していくか」というのを考えて発表させる。ですから、私たちが考えて「これをああしろ、こうしろ」いう形ではなくて、本人たちが考えて「こうしましょう、ああしましょう」といってくれる。

これは、職員たちが満足し、納得してなかったらできないと考えています。

運営の手法であったり形態というのは、やはりどんどん更新し工夫されているということでしょうか?

「いかに利益をあげていくか」そこにフォーカスしているのではなく、「いかに入居者さん・患者さん達の為にお世話をさせていただいているか」=理念である「おもてなしの心」に通じます。ここを考えていくんですね。
そうすると正当な利益がついてくる、そう考えています。

顧客満足とともに従業員満足もしっかりと高めていきたいということですね。本日はありがとうございました。

ありがとうございました。

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